HOME > デントレ通信vol3
vol.3.1
口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。
実態とむし歯
1. 歯科疾患の現状とむし歯や歯周炎について
現状は
毎日2回以上歯磨きしている人も多くなっていますが、まだまだ、歯と歯肉の健康維持が十分であるとはいえません。
磨けているつもりでは?
- 歯と歯の間の歯の面(歯間部歯面)や歯と歯肉の境目、歯列の矯正装置をつけたところ、ブリッジのすきまなど、磨きにくいところはプラークが沈着しやすく、むし歯や歯周炎などの歯や歯周の病気につながります。
- 30歳を過ぎると約80%の人に、歯肉に所見(炎症)が見られ、さらに進行しています。
歯周ポケットが3㎜~4 ㎜以上になると歯周病になっています。40歳を過ぎると急激に増えています。 - また、歯ブラシだけでは歯間部歯面のプラークが40%残ってしまう報告もあり、歯間部清掃用器具の使用が健康日本21で目標設定されています。
むし歯(う蝕)と歯周炎
1. むし歯(う蝕)の発生と進行について
むし歯は、砂糖を含んだ食品(間食)から口腔内の微生物がつくる酵素より生じた酸で歯がとかされる(脱灰)病気です。
- 先ず、エナメル質など表面が侵されることからはじまります。
初期はプラークの下の歯の部分の白濁からはじまります。この段階は自分で発見することは難しいです。 (定期的なチェックが必要)。このとき、フッ素塗布やフッ素入り歯磨剤を使用すると歯の表面がもとに回復する現象(再石灰化)もあります。 - しかしその時期を越えて進行するとエナメル質に目で見ることができる穴があき、さらに進むと象牙質に達します。
- 象牙質に達すると冷熱水に痛みを感じるようになります。
C1: う蝕がエナメル質のみに存在するもの。自覚症状はない。
C2: う蝕が象牙質まで達しているが、歯髄に病変が及んでいないもの。一過性に冷温刺激を感じる。
C3: う蝕が象牙質まで達していて、歯髄に病変を生じているもの。温刺激に著明に反応し、夜間痛や自発持続痛を生じる。
C4: 歯冠の大部分が崩壊して残根状態となっているもの。
2. 歯周炎の発生と進行について
歯のかみ合わせ部分だけでなく、歯並びが悪いところや歯間部の歯面、歯と歯肉の境目、歯列矯正装置をつけたところなど、歯磨きしにくいところは歯肉炎の原因になりるプラークが沈着しやすくなります。歯磨きしにくいところはデントレックスなどの補助清掃具できれいにし、歯と歯肉の健康を維持しましょう。
中垣晴男ら 著:新 看護学生のための歯科学、医歯薬出版、2008年 より
<< デントレ通信vol54「歯科衛生士 M の歯科衛生士さんにインタビュー ~基本編~」
<< デントレ通信vol52.2「歯科衛生士 M のつぶやきXIII 電動歯ブラシのお話~選び方編~」
<< デントレ通信vol52.1「歯科衛生士 M のつぶやきXIII 電動歯ブラシのお話~基本編~」
<< デントレ通信vol51.1「災害時こそ、お口を清潔に②」
<< デントレ通信vol50.1「災害時こそ、お口を清潔に①」
<< デントレ通信vol49.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅺ」
<< デントレ通信vol46.2「歯科衛生士 M のつぶやきⅩ」
<< デントレ通信vol46.1「すべての健康はお口の健康から ~糖尿病編~」
<< デントレ通信vol45.2「歯科衛生士 M のつぶやきⅨ ~笑いの効用~」
<< デントレ通信vol45.1「すべての健康はお口の健康から ~高血圧症編~」
<< デントレ通信vol44.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅷ」
<< デントレ通信vol44.1「知ってるようで知らない「ホワイトニング」のお話」
<< デントレ通信vol43.2「数値・薬名から分かる身体情報② ~お薬手帳編~」
<< デントレ通信vol43.1「数値・薬名から分かる身体情報① ~バイタルサイン編~」
<< デントレ通信vol42.2「お口の重要検査"プロービング"のお話」
<< デントレ通信vol42.1「健康日本21(第二次)Ⅲ 現在の状況」
<< デントレ通信vol41.2「歯科衛生士 M のつぶやきⅦ」
<< デントレ通信vol41.1「アレルギー (過敏症)のお話」
<< デントレ通信vol39.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅵ」
<< デントレ通信vol38.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅵ」
<< デントレ通信vol36.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅴ」
<< デントレ通信vol35.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅳ」
<< デントレ通信vol33.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅲ」
<< デントレ通信vol32.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅱ」
<< デントレ通信vol31.1「口腔乾燥症(ドライマウス)」
<< デントレ通信vol30.1「お母さんと赤ちゃんの健康な歯のために Ⅲ」
<< デントレ通信vol29.2「お母さんと赤ちゃんの健康な歯のために Ⅱ」
<< デントレ通信vol29.1「お母さんと赤ちゃんの健康な歯のために Ⅰ」
<< デントレ通信vol26.1「健康日本21(第2次) Ⅱ) Ⅰ」
<< デントレ通信vol25.2「歯科衛生士 M のつぶやき Ⅰ」
<< デントレ通信vol25.1「健康日本21(第2次) Ⅰ」
<< デントレ通信vol23.2「デンタルハイジニスト=歯科衛生士さんがよく使用する器具(第3回)」
<< デントレ通信vol22.2「歯科診療所で働くデンタルハイジニスト=歯科衛生士さんのお仕事 (第2回)」
<< デントレ通信vol22.1「厚生労働省 平成23年 歯科疾患実態調査から(第2回)」
<< デントレ通信vol21.2「デンタルハイジニストってご存知ですか?(第1回)」
<< デントレ通信vol21.1「厚生労働省 平成23年 歯科疾患実態調査から(第1回)」
<< デントレ通信vol20.2「歯磨き剤の発泡剤の効果を調べてみましょう」
<< デントレ通信vol20.1「健康日本21 歯の健康 最終評価」
<< デントレ通信vol19.2「健康日本21 歯の健康 最終評価[Ⅱ]」
<< デントレ通信vol19.1「健康日本21 歯の健康 最終評価[Ⅰ]」
<< デントレ通信vol18.2「健康日本21 全体の目標達成状況[Ⅱ]」
<< デントレ通信vol18.1「健康日本21 全体の目標達成状況[Ⅰ]」
<< デントレ通信vol17「愛知学院大学歯学部 歯科資料展示室のご紹介」
<< デントレ通信vol16.2「近年の健康観と8020運動、8020研究の今後」
<< デントレ通信vol16.1「近年の健康観と8020運動、8020研究の今後」
<< デントレ通信vol15.2「歯磨き剤を比べてみましょう」
<< デントレ通信vol15.1「健康の格差と8020運動」
<< デントレ通信vol14.1「ソーシャル・キャピタルと8020」
<< デントレ通信vol12.2「望ましい食生活を送るために」
<< デントレ通信vol12.1「国の健康力もあらわす8020」
<< デントレ通信vol11.2「歯によいおやつの習慣をチェックしましょう」
<< デントレ通信vol11.1「ライフコース疫学と8020運動」
<< デントレ通信vol10.1「健康づくりへの生活習慣と8020運動」
<< デントレ通信vol9.2 「代替甘味料と食品に含まれるフッ素」
<< デントレ通信vol9.1 「生活習慣と歯や口腔の健康度」
<< デントレ通信vol8.2 「乳歯と永久歯との関わり合い」
<< デントレ通信vol8.1「8020になるための方法開発とその応用」
<< デントレ通信vol7.2 「口の中の酸とむし歯(う蝕)について」
<< デントレ通信vol7.1「健康創造(サルトジェネシス)と8020運動」
<< デントレ通信vol6.2「ちょっとひといき:だ液の消化作用を自分の目で調べてみましょう」
<< デントレ通信vol6.1「8020者の疫学調査から:健康創造(サルトジェネシス)との出会い」
<< デントレ通信vol5.2「だ液(唾液)を科学する(2)」
<< デントレ通信vol5.1「だ液(唾液)を科学する(1)」
<< デントレ通信vol2.2「デントレックスとプラークコントロールについて(2)」